あらすじ
明治40年(1907年)の夏を舞台にした青春冒険物語「二十世紀電氣目録-ユーレカ・エヴリカ-」。京都の伏見に暮らす酒造家の次女である15歳の百川稲子は、何事もうまくいかず、父親に叱られる日々を送っていた。彼女にとって唯一の心の拠り所は、神への祈りであった。ある日、伏見稲荷神社で、稲子は奔放な若者・坂本喜八と出会う。喜八は神の存在を否定し、やがて到来する電気の時代について熱く語る。 そんな中、稲子の家では突然、彼女の結婚話が持ち上がる。父親が一方的にすべてを決定し、自身の意思とは関係なく決められた運命に、稲子は希望を失いかけていた。その時、喜八は稲子が家族から逃れたいと願う本心に気づく。稲子の結婚を阻止する唯一の方法は、「電気目録」と呼ばれる珍しい本を見つけることだと喜八は告げる。その本は、喜八が幼い頃に書いた電気に関する予言書だが、兄の清六が持ち去って以来、行方が分からなくなっていた。稲子と喜八は、この「電気目録」を探すため、京都と滋賀の県境を越える旅に出る。二人は、未知の電気の時代がもたらす可能性と、自分たちの未来を切り開くための冒険に身を投じることになる。