あらすじ
昭和初期の日本を舞台に、戦争の時代を生きる少女の日常と成長を描いた物語。昭和15年(1940年)、主人公の茅子(かやこ)は小学校に入学したばかりの少女である。泣き虫な一面を持ちながらも、友達と遊び、可愛らしい童謡を歌い、3人の兄たちと楽しく過ごす日々を大切にしていた。母親の妊娠を知り、姉になることを心待ちにする茅子だが、その責任についてはまだ漠然としか理解していなかった。しかし、平和な日常の裏で、戦争の足音が次第に近づき、国を挙げての愛国心が高まっていく。茅子は、人形の材料が爆弾製造に役立つと信じ、大切にしていた人形を供出することさえする。時が経ち、成長するにつれて、茅子は戦争が自分自身や周囲の人々に与える影響を目の当たりにする。しかし、1945年に起こる出来事、そしてその後に訪れる暗い時代を前に、彼女はまだ何も知らなかった。この物語は、作者である海老名香葉子の昭和時代の戦争体験に基づいている。