あらすじ
「カイバ」は、記憶のデータ化と肉体からの分離が可能な未来世界を舞台にしたSFアニメーション作品である。人類は記憶をデータとして保存し、肉体から切り離す技術を確立していた。これにより、肉体の死はもはや個人の終わりではなく、記憶をデータバンクに保存し、新たな肉体へと「転送」することが可能となった。しかし、この画期的な技術は同時に「記憶取引」という新たな産業を生み出し、記憶の盗難や不法な改ざんが横行する事態を招く。社会の権威は失墜し、世界は混乱と停滞の時代を迎えていた。 ある日、一人の男が荒廃した部屋で目を覚ます。彼は自身の名をカイバと認識するものの、それ以外の過去の記憶はすべて失われていた。手元には、見知らぬ女性の写真が入ったペンダントが一つあるだけだ。彼が見上げる空には常に渦巻く雲と電嵐が広がり、その領域を記憶を失わずに通過することは不可能とされていた。その上空には、富と権力を持つ者たちが暮らす領域が存在する。彼らは他者の肉体や記憶を自らの娯楽や長寿のために交換し、地上とは隔絶された生活を送っていた。一方、地上には、良質な肉体が手に入りにくく、貧困と危険が蔓延する過酷な世界が広がっていた。 突然の襲撃を受けたカイバは宇宙へと脱出する。彼は旅の途中で様々な人々と出会いながら、失われた自身の記憶を取り戻そうと試みる。その間、彼は世界の抱える根深い問題や、自身の存在意義について深く悩み続ける。そして、彼が持つペンダントの中の女性、ネイロの行方もまた、物語の重要な鍵となる。カイバの旅は、彼自身の記憶と世界の真実を巡る壮大な探求へと発展していく。