あらすじ
本作は、中世初期の日本の伝説を基にしたホラー心理劇である。ある朝、母親と小屋で暮らす二人の兄弟は、鹿を捕らえる罠を仕掛けるため山へと向かった。静かに森の茂みを分け入っていくと、突然、木の梢から鬼の腕が伸びてきて、弟を掴んでしまう。兄は冷静さを保ち、震える手を落ち着かせながら慎重に狙いを定め、放った矢で弟の命を救った。しかし、その場に残された鬼の腕は、なぜか兄にとって見覚えのあるものであった。家に帰った兄弟を待ち受けていたのは、恐ろしい真実の露見であった。1972年に制作された『鬼』は、その独特な世界観と表現が高く評価され、数々の国際アニメーション映画祭で賞を受賞した。