透明感を極限まで引き出した4K映像
今回公開された予告編では、4Kリマスターによって磨き上げられた映像美が確認できる。2006年の劇場公開当時から「光の表現が美しい」と称えられてきた本作だが、4K化によってその透明感がさらに際立ち、夏の日差しや川面の輝きといった細部の描写がより鮮明に蘇っている。上映は全国161館での展開となり、リバイバル上映としてはかなりの規模といえる。
「時をかける少女」とはどんな作品か
「時をかける少女」は、筒井康隆の同名小説を原案に、細田守監督が手がけたオリジナルアニメーション映画。2006年にアニメーション映画として公開され、主人公・紺野真琴が"タイムリープ"の力を手に入れたことで巻き起こる青春の物語を描く。声優に仲里依紗、石田卓也、板倉光隆らを迎え、制作はマッドハウスが担当した。
公開当時は限られた館数からのスタートだったにもかかわらず、口コミで評判が広がり異例のロングランを記録。第81回キネマ旬報ベスト・テン日本映画第1位をはじめ数多くの賞を受賞し、細田守監督の名を一躍広めた代表作となった。
なぜ今、このリバイバルが重要なのか
細田守監督はその後、「サマーウォーズ」「おおかみこどもの雨と雪」「バケモノの子」「未来のミライ」「竜とそばかすの姫」と話題作を送り出し続けているが、その出発点ともいえるのがこの「時をかける少女」だ。監督の作家性の原点に触れられるという意味で、新規ファンにとっても既存ファンにとっても価値のある機会となる。
4K化によって映像の質感が現代のスクリーン環境に最適化されたことで、当時劇場で観た世代が改めて体験し直すのはもちろん、初めて大画面で観る若い世代にも届きやすくなった。161館という規模の拡大は、配給側がそれだけ広い層への訴求を見込んでいることの表れでもある。
予告編の公開で期待感が一気に高まった本作、今後は上映スケジュールの詳細や特別上映イベントなどの追加情報にも注目しておきたい。