キリトとアスナ、ふたりの日常が一冊に
「シュガーリー・デイズ」は、SAOシリーズの原作者・川原礫が執筆した外伝ノベル。「The Day Before」の直後を舞台に、アインクラッドの第22層にあるログハウスで新婚生活をスタートさせたキリトとアスナのふたりを描いたスライス・オブ・ライフ作品だ。穏やかな日常の中で、ダイニングテーブルやロッキングチェアといった手作り家具を職人プレイヤーのマホクルに依頼するために旅に出る——というのが大まかなあらすじ。バトルではなく"生活"に焦点を当てた、シリーズの中でも異色の一作である。
本作はもともと各種イベントで配布された短編集として誕生し、2015年には「ソードアート・オンラインII」の限定版Blu-rayの特典ノベルとして部分的に収録。2018年には新エピローグを加えた完全版が刊行されたが、いずれも一般流通には乗っていなかった。今回の発売は、作品として初めて書店で誰でも手に取れる形になるという点で、長年のファンにとっても、これから読みたいと思っていた新規ファンにとっても大きな意味を持つ。
映画発表と重なるタイミングにも注目
この書籍化の発表は、「ソードアート・オンライン the Movie:Integral Domain」という完全新作アニメ映画の発表とほぼ同時期に行われた点も見逃せない。2028年公開予定のこの映画は、川原礫によるストーリーコンセプトをもとに、長年シリーズのキャラクターデザインを担当してきた安彦英二が監督を務め、A-1 PicturesとPsyde Kick Studioが制作する。
「シュガーリー・デイズ」はまさにキリトとアスナという関係性の核心を描いた作品であり、映画に向けてふたりのルーツを改めて振り返るのに最適な一冊とも言える。シリーズが新たな局面を迎えようとしている今、この書籍化はただの重版ではなく、ファンコミュニティを盛り上げる仕掛けのひとつとして機能しているように感じる。
発売は2026年8月7日。映画「Integral Domain」に向けての続報とあわせて、SAOをめぐる動きからしばらく目が離せない。