"無能"と"呪い"が交差する、大正ロマンの予感
7月8日発売のプチコミック8月号(小学館)にて、川瀬あやの短期集中連載「3度捨てられた花嫁は呪いの軍人に嫁ぎたい」が始動した。タイトルが示す通り、婚約破棄を3度も経験した"無能"の少女と、呪いを背負った軍人の男が主人公を務める帝国ロマンファンタジーだ。
舞台は大正時代。華やかな文明開化の影で、身分や能力によって人の価値が測られていた時代背景が、このふたりの境遇をより際立たせる。"3度捨てられた"という主人公の過去と、"呪われた軍人"という異色の相手との組み合わせは、単純な恋愛ものにとどまらない複雑な関係性を予感させる。
注目のポイントと今後の見どころ
プチコミックといえば、少女・女性向けの恋愛作品を長年にわたって送り出してきた老舗誌。その誌面で「帝国ロマンファンタジー」という言葉が使われているのは、やや珍しい切り口だ。大正という時代設定に「呪い」という非現実的な要素を組み合わせることで、純粋な歴史ロマンスとも異世界ファンタジーとも異なる、独自のジャンルを狙っているように見える。
川瀬あやは繊細な心理描写と引き込まれる関係性の構築に定評のある作家であり、短期集中連載という形式ながら密度の高い物語が期待できる。3度の破談という重い過去を持つヒロインが、呪いという孤独を抱えた相手といかに向き合っていくのか——そのドラマの深さこそが、本作最大の見どころになるだろう。
大正ロマンの空気感と、ままならない運命を背負ったふたりの関係がどう動いていくのか。続刊の展開に注目したい。