オープニング映像に「セル画カット」という選択

TVアニメ「さよならララ」のオープニング映像がこのほど公開された。最大の注目ポイントは、映像の一部にあえてセル画を使用したカットが含まれている点だ。

デジタル作画が主流となった現代のアニメ制作において、セル画の質感をオープニングに取り入れるという判断は、単なる懐古趣味ではなく、明確な演出意図を感じさせる。人魚が人間として現代に転生するという物語の構造上、「過去と現在」「異なる世界」を映像表現でも対比させようとしているのかもしれない。制作を手がけるのはKinema Citrusで、『メイドインアビス』や『盾の勇者の成り上がり』など、独特の世界観を映像化してきた実績を持つスタジオだ。

作品について——200年の時を超えた人魚の転生譚

「さよならララ」は、KADOKAWAなどが制作に関わるオリジナルファンタジーアニメ。人間との愛を強く願った人魚が、禁断の願いを叶えた代償として命を落とし、200年後の現代日本・琵琶湖のほとりに人間として生まれ変わるという物語だ。

人魚だった頃の記憶を持ったまま人間社会に適応しようとする主人公の姿は、異世界転生ものとは一線を画す、静かで切ない情感を予感させる。全12話という構成も、派手な展開よりも丁寧な人間ドラマを積み重ねていくスタイルを想定しているのだろう。舞台に琵琶湖を選んだことも、日本最大の湖が持つ神秘的なイメージと物語のテーマが重なり、ビジュアル面での期待も高まる。

オリジナル作品ゆえに原作ファンによる「改変」論争は起きないが、逆に言えばすべてが初見で明かされていく楽しみがある。セル画を取り入れたオープニングの演出が、本編の映像クオリティにどうつながっていくのか、続報と放送開始が待ち遠しい。