2作同時スタート——それぞれの物語
「バリキャリJKモネ先輩」は、「私に天使が舞い降りた!」の作者・椋木ななつによる新連載。27歳のバリキャリOL・西園寺萌音と、25歳のマンガ家・宇月心晴はルームメイトとして同居している。高校生を主人公にしたマンガのネタ集めに悩む心晴に懇願され、萌音がセーラー服を着ることに。そのままなし崩し的に外出することになるのだが、萌音はなぜかドキドキと楽しさを覚えていて——という、大人女子2人の"青春リバイバルコメディ"だ。
もう一方の「神は私を撮りたいって言ってます!」は散葉ちんみの新連載。主人公は18歳のコスプレイヤー・倉敷有叶。3年前に投稿した初コスプレ写真をネットで叩かれて以来、人前に出ることができずにいた有叶が、あるカメラマンとの出会いをきっかけに動き出す——という物語になっているようだ。
「まが天」の椋木ななつが仕掛ける新境地
注目したいのは、椋木ななつの作風の広がりだ。「私に天使が舞い降りた!」では小学生の女の子たちを中心としたほのぼのコメディで多くのファンを獲得し、アニメ化も果たした椋木だが、今回の「バリキャリJKモネ先輩」では社会人女性を主人公に据えたコメディという新たな切り口を選んでいる。「まが天」で培ったキャラクターの可愛らしさや日常描写の巧みさが、大人の女性たちを描く舞台でどう活かされるのかは、既存ファンにとっても純粋に気になるところだろう。
セーラー服を着た27歳のOLが外出するというシチュエーションは、コメディとしてのポテンシャルが高い。同時に、そこに「なぜかドキドキする」という感情を滑り込ませてくる構成は、百合姫らしい関係性の機微を丁寧に描こうとする意図が見える。
一方の「神は私を撮りたいって言ってます!」は、ネットでの誹謗中傷というリアルな傷を抱えたコスプレイヤーを主人公に据えており、コメディとは異なるトーンの作品になりそうだ。カメラマンとの関係がどのように有叶の心を動かしていくのか、今後の展開が読み解く鍵になるだろう。
コミック百合姫9月号は現在発売中。両作の続報や単行本化の動向にも引き続き注目していきたい。