歌川国芳を描き続ける作家・崗田屋愉一の最新作

本作の作者・崗田屋愉一は、同じく歌川国芳をテーマにした「大江戸国芳よしづくし」や「ひらひら 国芳一門浮世譚」などで知られるマンガ家だ。江戸の絵師・歌川国芳の世界を独自の筆致で描いてきた作家が、今度は「猫」という切り口で新たな物語を紡ぎ出す。

タイトルの「猫もやう」は、猫模様——つまり猫にまつわる文様や意匠を指す言葉でもある。歌川国芳は実際に無類の猫好きとして知られており、多くの猫を描いた浮世絵を残した歴史的な絵師だ。その史実をベースに、崗田屋愉一がどのような物語を構築するのか、期待が高まる。

「国芳もの」の第三弾として注目される理由

崗田屋愉一にとって、歌川国芳を題材にした作品はこれが事実上のシリーズ第三弾ともいえる位置づけになる。「大江戸国芳よしづくし」でその世界観の骨格を作り、「ひらひら 国芳一門浮世譚」で一門の人間模様を掘り下げてきた作家が、今度は猫という江戸文化の象徴的な存在を軸に据えた。

江戸時代における猫の文化的な意味合いは深く、歌川国芳の作品群にも猫は頻繁に登場する。時代劇マンガという枠組みの中で、絵師と猫がどのように絡み合い、どんな物語が展開されるのか——過去作を読んできたファンにとっては、崗田屋愉一の江戸世界への新たな入り口として、また初めて触れる読者にとっても親しみやすいテーマとして機能しそうだ。

週刊漫画ゴラクという男性向け青年漫画誌での連載という点も、これまでの作風がより幅広い読者層に届く機会になるかもしれない。今後の展開と単行本化の動向にも注目していきたい。