「みことはこ」とはどんな作品か
本作は、"祓い屋"の少年・みことと、顔が箱になっている謎の少女・はこが組む、バディ除霊バトルコメディだ。
物語の発端は、ある村で起きた神隠し事件。調査のため山中の神社を訪れたみことは、そこで「はこ」と名乗る少女に出会う。彼女の顔は文字どおり箱になっており、その正体は謎に包まれている。みことが悪霊に襲われたその瞬間、はこは助ける代わりに「箱から解放してほしい」と交渉を持ちかける。こうして2人は互いの目的のためにタッグを組み、悪霊退治の旅へと踏み出す。
読み切り時代から注目されていた異色のバディもの
この作品がとりわけ注目される理由のひとつは、その出自にある。連載前に公開された読み切り版が閲覧数140万という数字を叩き出しており、少年ジャンプ+における読み切りとしては相当な反響だ。読者の間で「続きが読みたい」という声が高まっていたことが、今回の連載化に繋がったと見てよいだろう。
「顔が箱の少女」というビジュアルのインパクトは一目見れば忘れられない強さがある。荒唐無稽に見えて、「箱の謎を解く」という明確な目的が物語の軸として機能しており、バディものとしての関係性の変化にも期待が持てる構造になっている。除霊・バトル・コメディという要素を一本の作品に詰め込みながら、読み切りの段階でそれを破綻なく成立させていた点は、作者・天願真太郎の筆力を示していると言えるだろう。
少年ジャンプ+は近年、「チェンソーマン」や「SPY×FAMILY」など連載化後に大きく羽ばたいた作品を多数輩出しているプラットフォームだ。読み切りで培った熱量が連載という長い戦場でどう展開されていくのか、今後の話数に引き続き注目したい。