あらすじ
高校生の村井正彦は、鋭い嗅覚だけが唯一の取り柄である。特に悪臭に惹かれる彼の嗅覚は、決して人気者になれるような特技ではなかった。しかし、正彦は自身の期待値を低く設定しており、クールである必要も、人気者である必要も、好かれる必要すらなかった。ただ、クラスで一番の負け犬でなければそれでよかった。 幸いにも、彼より下の存在が常にいたが、その「一番の負け犬」に恋人ができたことで、正彦はパニックに陥る。彼は過去の人物、水沢遥の名前を咄嗟に持ち出し、遠距離恋愛をしていると嘘をつくことで、自分が最底辺に落ちるのを必死に阻止しようとする。当然、クラスメートは疑いの目を向けるが、翌日、遥と名乗る少女が学校に現れ、正彦の話を裏付ける。これで窮地を脱したかに見えた正彦だったが、彼がクラスメートに隠していたのは、遥が数年前にすでに亡くなっているという事実だった。では、彼女の顔を被って現れたのは誰なのか、そしてなぜ彼女は正彦に協力しているのか。正彦は、学校で一番の負け犬であることよりも、はるかに恐ろしい運命が待ち受けていることを知ることになる。