注目は新條景悟の2作品同時ノミネート

今回の発表でひときわ目を引くのが、新條景悟による2作品が「ベスト国際作品米国版(アジア部門)」に同時ノミネートされた点だ。対象となったのは『ひらやすみ』第4〜7巻(翻訳:Jan Mitsuko Cash、VIZ Media刊)と、『東京エイリアンブラザーズ』第1〜3巻(翻訳:Casey Loe、VIZ Media刊)。同一作家の2作品が同じ部門にそろってノミネートされるのは異例であり、海外における新條作品の評価の高さを改めて示す結果となった。

同部門には山下和美による『LAND』第1巻(翻訳:Kevin Gifford、Yen Press刊)もノミネートされている。さらに山下は「ベストライター/アーティスト」部門にも同作でノミネートされており、こちらも二冠候補として注目を集めている。

マンガ界の巨人・大友克洋もノミネート

その他の日本関連の候補作にも見逃せない顔ぶれが揃っている。加古伸太郎(Shintaro Kago)は実験的・オルタナティブ系マンガの作品集『Brain Damage』(Fantagraphics刊、翻訳:Zack Davisson)から「Blood Harvest」と「The Curse Room」の2作品が「ベスト短編」部門にノミネート。また、映画監督・りんたろうの自伝的マンガ『My Life in 24 Frames Per Second』(AbramsComicArts/Kana刊)が「ベストグラフィックメモワール」部門に選ばれた。

そして、アーカイブ・コレクション部門には大友克洋の『AKIRA』全5巻ハードカバー版がノミネート。言わずと知れたマンガ史上の金字塔が、改めて世界的な権威ある賞の舞台に立つことになった。

アイズナー賞とは

ウィル・アイズナー・コミック・インダストリー・アワードは、アメリカン・コミックスの父とも称されるウィル・アイズナーの名を冠した、コミック業界最高峰の賞のひとつ。毎年サンディエゴで開催されるComic-Con Internationalに合わせて授賞式が行われる。近年は日本のマンガ作品のノミネートが増加傾向にあり、英語圏でのマンガ市場の拡大と評価の定着を実感させる場ともなっている。

今年の受賞結果がどうなるか、日本のマンガファンとしても目が離せない。授賞式の続報に注目したい。