好きな人を引き止めるために、少女は変わる
本作の主人公は、片田舎に暮らす小学生・内暗陽凪(うちぐらひなぎ)。彼女には密かに思いを寄せる男子・石鳥源(いしとりはじめ)がいるが、ある日「田舎はつまらない、東京に引っ越したい」という石鳥くんの本音を耳にしてしまう。
なんとか彼を引き止めたい陽凪は、石鳥くんが楽しめる"何か"を作ろうと一念発起。普段は内気でおとなしい彼女が、そのために思い切った大変身を遂げる——というのが物語の出発点だ。タイトルの「悪魔ちゃん」がどんな姿を指すのか、第1話を読むだけでも思わず続きが気になってしまう構成になっている。
作者・深津ザオウとは?
作者の深津ザオウは、少年ジャンプ+を主な発表の場としてきた新鋭作家。繊細な感情描写とキャラクターの表情の豊かさに定評があり、今回の新連載でもその持ち味が存分に発揮されている。
少年ジャンプ+はこれまでも、恋愛・青春ジャンルの作品を積極的に展開してきたプラットフォーム。本作のような「等身大の子どもたちが主人公のラブコメ」は、読者の共感を呼びやすいジャンルであり、連載スタート直後からSNS上でも反応が広がっている。
「好き」という気持ちが動かす物語
本作が持つ最大の魅力は、恋愛を"行動の原動力"として描いている点だろう。陽凪は決して積極的なキャラクターではない。それでも「好きな人に去ってほしくない」という一心で、自分を変えようとする。その不器用さと健気さが、物語の推進力になっている。
小学生という年齢設定も、ドロドロした展開を排除し、純粋な感情の動きを丁寧に描くうえで効果的に機能している。大人になってから読むと、懐かしさと切なさが入り混じる独特の読み心地があるはずだ。
連載は少年ジャンプ+にて継続中。陽凪と石鳥くんの関係がこれからどう展開していくのか、今後の更新から目が離せない。