約19年の旅路が終わった

小山宙哉による「宇宙兄弟」が、6月11日発売のモーニング28号(講談社)にて最終回を迎えた。2007年12月の連載開始から数えておよそ19年、全46巻という大長編がついに幕を閉じた。

最終巻となる第46巻は、2025年7月22日に発売される予定だ。長年この作品を追いかけてきた読者にとっては、感慨深い一冊になることは間違いない。

宇宙を目指した兄弟の物語

「宇宙兄弟」は、宇宙飛行士を夢見る南波六太と、先に夢を叶えた弟・日々人を中心に描かれる人間ドラマだ。挫折と再起、夢への執着と葛藤を丁寧に積み重ねてきたこの作品は、アニメや実写を問わず幅広いファン層を獲得してきた。

2011年には第56回小学館漫画賞一般向け部門と第35回講談社漫画賞一般部門をダブル受賞という快挙を達成。2012年には小栗旬主演の実写映画とTVアニメが同時展開され、2014年にはアニメ映画も制作されるなど、メディアミックスも大きな広がりを見せた。

「完結」が持つ意味

長期連載の完結というニュースは、ともすれば「終わった」という寂しさだけで語られがちだが、「宇宙兄弟」の場合は少し違う。六太と日々人が歩んできた道のりは、単なるフィクションを超えて、実際の宇宙開発の歴史とも並走してきた。連載中にJAXAとのコラボレーションや宇宙飛行士選抜試験の描写がリアルと重なるなど、この作品が持つ「本気度」は他の作品にはない独自の重みがあった。

約19年という時間は、読者自身の人生とも重なる。中学生だった読者が社会人になり、夢を諦めかけたとき、六太の姿に背中を押された人も少なくないはずだ。完結はゴールではなく、この作品が読者に与え続けてきたものの総決算と言えるだろう。

最終46巻の発売を前に、改めて1巻から読み返してみたくなる——そんな完結だ。最終巻の収録内容や描き下ろしの有無など、今後の詳細情報にも注目したい。