夢と挫折、そして再起——「HAL FORMULA」の物語
本作の主人公は、両親を持たない19歳の青年・涼風満春。彼が目指すのは、世界最高峰のレース「WF1(ワールドフォーミュラ1)」への出場だ。現在はその下のクラスであるWF4で腕を磨いているが、なかなか結果が出せずにいた。そんな満春に、チームのディレクターから「身の振り方を考えた方がいいかも」という厳しい言葉が突きつけられる。
レーサーとしての道を諦めかけた満春を再び奮い立たせたのは、幼い弟の言葉だった。この「夢と挫折と再起」という王道の構図は、少年ジャンプが長年磨き上げてきたフォーマットそのものであり、スポーツものとして非常に手堅いスタートを切っている。
連載開始に合わせて公式PVも公開されており、作品の熱量をひと足先に確認することができる。
「グリーングリーングリーンズ」の寺坂研人、ジャンプで本格始動
寺坂研人といえば、ゴルフを題材にした青春マンガ「グリーングリーングリーンズ」で注目を集めた作家だ。スポーツの技術的な面を丁寧に描きながら、登場人物の感情の機微を自然に絡めていく作風は、「HAL FORMULA」でも存分に発揮されることが期待される。
モータースポーツをジャンプで正面から扱う作品は決して多くなく、その意味でも本作は希少な存在だ。F1やフォーミュラカーへの注目が世界的に高まっているタイミングとも重なり、新規読者の取り込みという点でも追い風が吹いている。スポーツマンガとしての骨格の強さと、寺坂研人の描くキャラクターの魅力が噛み合ったとき、本作がどこまで駆け上がるのか——続く展開に目が離せない。