世界中の「5万点グルメ」を求めて——アニメ化始動

青木潤太朗(原作)と森山信(作画)によるノンフィクション・グルメマンガ「鍋に弾丸を受けながら」のTVアニメ化が正式に発表された。制作はJ.C.STAFFが担当し、放送は2027年を予定している。

公開されたティザービジュアルには「美少女(おじさん)が世界中を駆け巡る、クレイジーなグルメ旅が始まる」というキャッチコピーが添えられており、この一文だけで本作の異色ぶりが伝わってくる。

「ノンフィクション×2次元フィルター」という前代未聞の設定

本作の主人公は、漫画家・青木潤太朗。2次元コンテンツを摂取しすぎた結果、現実に存在するすべての人間が美少女アニメキャラクターに見えてしまうという特異な知覚を持つ男だ。そんな彼が「5万点の料理」を求め、世界各地の珍しい料理や知られざる食文化を体当たりで取材していく。

フィクションの冒険譚ではなく、実際の取材をベースにしたノンフィクション・トラベルレポートと、コメディ、そしてグルメが融合した異色作。KADOKAWA「コミックNewtype」で連載中で、現在5巻まで刊行されている。

原作者のコメントが「すべてを物語っている」

アニメ化発表を受け、原作者の青木潤太朗氏は次のようなメッセージを寄せている。

「おそらく、これは史上最もクレイジーなマンガのひとつです。こんなマンガがアニメ化される日本という狂った時代へ、ようこそ。海外の反応をこれほど楽しみにしているアニメは、かつてなかったと思います。日本の読者の皆さん、ありがとう……そしてごめんなさい。(日本語でしか書けない表現があるので)」

この「ごめんなさい」の一言が、本作の過激さと翻訳困難な笑いのレベルを如実に示している。グローバル展開を見越した発言でありながら、同時に原作の「日本語でしか成立しない文化的文脈」への自覚が滲み出ており、アニメ化にあたってどこまで再現されるのかが早くも気になるところだ。

J.C.STAFFへの期待と、翻訳不可能な笑いの挑戦

制作を手がけるJ.C.STAFFは、「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」「食戟のソーマ」「かぐや様は告らせたい」など、ジャンルを問わず高い完成度の作品を世に送り出してきた実績を持つ。グルメ描写やコメディの表現力という点では申し分のない布陣と言えるだろう。

一方で本作最大の難所は、ノンフィクションという性質上、実在の国や文化が登場すること、そして原作者自身が「日本語でしか書けない」と認めるような言語的・文化的なギャグをどう映像化するかにある。原作ファンとしては、その部分の落とし込み方に最も注目したい。

2027年の放送に向け、キャスト・スタッフをはじめとする続報が今後どのように明かされていくか、引き続き追っていきたい。