加藤コトノの新作はソフトテニスを題材にした青春マンガ

「セットマッチ!」は、ソフトテニス部に入部した少女の青春を描く作品で、8月7日に第1話・第2話を同時公開する形でデビューを飾った。まとめて2話分を一気に読める形でのスタートというのは、読者への強いアピールを感じさせる。現時点で発表されている情報は限られているが、加藤コトノの名前だけで注目度は十分に高い。

ソフトテニスを題材にしたスポーツマンガは、硬式テニスと比べると数が少なく、ある意味でニッチなジャンルを選んだとも言える。だからこそ、そこに飛び込んだ加藤コトノの選択は興味深い。競技の特性や魅力をどう描き出すかは、作品の個性を左右する重要なポイントになりそうだ。

「アルタイル」で注目を集めた実力派作家の新たな挑戦

加藤コトノといえば、オスマン帝国をモデルにした架空の世界で一人の武将が歴史を動かしていく壮大な歴史ファンタジー「アルタイル 〜A Record of Battles〜」の作者として広く知られている。緻密な世界観と骨太なストーリーが高く評価された同作は、2017年にアニメ化も果たした。

そんな歴史・政治劇の大作を手がけてきた作家が、今度は等身大の少女たちが部活動に打ち込む青春スポーツに舵を切ったというのは、なかなか大胆な方向転換だ。スケールの大きな物語を構築できる筆力が、今度はどんな形でキャラクターの感情や成長に注がれるのか——「アルタイル」ファンなら当然気になるところだろう。

原作ファンが注目すべき理由

加藤コトノの作風の根幹にあるのは、キャラクターの信念や覚悟を丁寧に積み上げていく構成力だ。「アルタイル」でも、主人公マフムートが数々の試練を経て成長していく姿は多くの読者を惹きつけた。その手腕がスポーツという舞台に移ったとき、ライバルとの対戦や勝敗の重みがどれほど深く描かれるか、期待せずにはいられない。

ソフトテニスというスポーツは、ダブルスを基本とするため、パートナーとの連携や信頼関係が物語の軸になりやすい。人間関係の機微を描くのが得意な加藤コトノにとって、この競技は実はかなり相性がいいのではないかと感じる。

「セットマッチ!」がどんな連載ペースで展開し、どんな雑誌・プラットフォームで読み続けられるのか、今後の続報が待ち遠しい。