「内閣権力犯罪強制取締官 財前丈太郎」の作画や「ドカコック」シリーズで知られる渡辺保裕が、月刊コミックヘヴン5月号(日本文芸社)にて新連載「ハイタッチ」を始動させた。3月30日の発売号からスタートしており、高校野球を舞台にした青春マンガとなっている。
物語の主人公は、親元を離れて暮らす男の子・小玉惟(こだまゆい)。ある晴れた日、海辺で涙を流す女子を目にした彼は、その姿に触れてある過去の記憶を呼び起こす。惟はかつて少年野球で将来を嘱望された選手だったが、そこから何かが変わっていた。時を経て高校生になった惟が入学した先で、あの海辺の女子と再会するところから、物語は本格的に動き出す。
渡辺保裕といえば、「ドカコック」シリーズで培ってきた躍動感のある画風と、キャラクターの感情をしっかりと描き出す表現力が持ち味の作家だ。今作では野球という競技を軸にしながら、過去の挫折や青春の感情が丁寧に絡み合う構成が予想され、スポーツマンガとしてだけでなく、人間ドラマとしても見応えがありそうな予感がある。
「海辺で泣く女子との再会」という出だしは、いかにも青春マンガらしい情緒的な導入で、単純な野球もの以上の広がりを感じさせる。惟がなぜ野球から距離を置いていたのか、その女子との関係がどう展開するのかという二つの軸が、序盤から読者の興味を引っ張る構成になっているのは巧みだ。月刊誌という連載ペースの中で、じっくりとキャラクターを育てていく作風に期待がかかる。
なお、同誌では4月30日発売の来月号にも新連載が控えている。「ヤンキークエスト」などで知られる村上マコトによるハーレムラブコメ「ヤンキーのリアルくんが異世界で魔法使い始めました!」で、ヤンキーの少年が異世界の魔法学校に転校するという設定の物語だ。月刊コミックヘヴンは現在、新連載ラッシュとも言える充実した布陣を敷いている。
渡辺保裕が高校野球という王道ジャンルでどんな物語を紡いでいくのか、今後の展開が楽しみなところだ。月刊コミックヘヴン5月号は現在発売中なので、気になる方はチェックしてみてほしい。続報や単行本化の動向についても、引き続き追っていきたい。