まきのめめによるマンガ「呪殺聖女は愛を知らない」の第1巻が、2025年3月30日に発売された。タイトルからただならぬ雰囲気が漂うこの作品、どんな物語なのか気になっている人も多いのではないだろうか。
主人公のシャーロットは、自分に惚れた相手を呪い殺すという特殊な能力を持つ凄腕の殺し屋。その力を活かして暗躍してきた彼女だが、ある日、王太子・アーサーの暗殺依頼を受けたことで物語が動き出す。タイトルが示す通り、愛を知らないはずの彼女が、逆に「落とされる」側に回るという逆転の構図が本作の核心だ。
ジャンルとしては異世界ファンタジー×ラブコメディといった趣で、呪殺という物騒な設定をベースにしながらも、恋愛の駆け引きや感情の揺れ動きを丁寧に描いていくスタイルが特徴的だ。「愛を知らない」殺し屋が恋に翻弄されていく様子は、読者にとって新鮮なカタルシスをもたらしてくれそうだ。
注目したいのは、この設定の巧みさだ。「惚れた相手を呪殺できる」という能力は、言い換えれば「誰かに本気で好かれたら命取り」という孤独な宿命でもある。シャーロットがこれまで愛から遠ざかってきたのは、能力のせいだけではなく、その孤独な生き方が染みついているからかもしれない。そこに王太子という存在が切り込んでくる構図は、単なる「強い女が落ちる話」以上の深みを予感させる。
作者のまきのめめは、独特のキャラクター造形と感情描写に定評があり、本作でもシャーロットの内面の変化をどう表現するかが読みどころのひとつになるだろう。1巻という出発点でどこまで世界観と関係性を構築しているか、手に取って確かめてみる価値は十分にある。
第1巻の発売を皮切りに、今後の展開や続巻の情報にも引き続き注目していきたい。