劇場アニメ「どこよりも遠い場所にいる君へ」のキャスト情報と特報映像が解禁された。主人公・月ヶ瀬和希役に石橋陽彩、謎の少女・秋鹿七緒役に永瀬アンナ、和希の同級生・幹也役に土屋神葉、物語の鍵を握る高津役に玉木宏という顔ぶれが明らかになった。

キャスト陣の顔触れはなかなか豪華だ。石橋陽彩は「僕のヒーローアカデミア」などで知られる実力派声優であり、10代の繊細な感情表現に定評がある。永瀬アンナは近年アニメへの出演が増えている注目株で、謎めいた少女・七緒という難役にどう挑むかが見どころのひとつ。土屋神葉は舞台や映像作品で培った表現力をアニメに持ち込む形となり、玉木宏は「物語の鍵を握る」と説明される高津役で作品全体に重みを加えそうだ。

作品の原作は阿部暁子による小説で、集英社から刊行されている。製作はPony Canyon、松竹、TMS Entertainmentが名を連ねており、劇場作品として相応の規模で制作されていることが伺える。

物語の舞台は離島の高校。主人公・月ヶ瀬一希(和希)は、誰にも知られずひっそりと生きたいという思いを抱えてこの島に転校してくる。島には「人が消える」という噂の入江があり、ある日そこで気を失った少女と出会う。意識を取り戻した彼女が名乗ったのはナオという名前と16歳という年齢、そして「1974年」という謎めいた言葉だけ。自分の素性について、それ以上は何も語ることができなかった。

ジャンルはミステリーと恋愛の組み合わせで、「1974年」という数字が示す時代のズレが物語の核心に関わってくることは想像に難くない。過去と現在、あるいは異なる時間軸が交差するような構造を持つ可能性があり、単純なラブストーリーに留まらない仕掛けが期待できる。

注目したいのは、原作ファンの間でこの作品が持つ独特の空気感だ。離島という閉鎖的な空間、消えるという噂、記憶を持たない少女というモチーフは、ミステリーとしての引力が強い。それをアニメ映画という尺の中でどう凝縮して見せるか、脚本と演出の手腕が問われるところでもある。

玉木宏が演じる高津というキャラクターが「物語の鍵を握る」と紹介されている点も気になる。主人公や謎の少女と並んで、この人物がどんな役割を担うのかは現時点では明かされていない。特報映像の公開と合わせて、今後さらに詳細な情報が解禁されることに期待したい。