てぃーろんたろんによる新連載「レザレクション-近代医学の怪人ジョン・ハンター-」が、4月6日発売のヤングキングBULL9号(少年画報社)にて本日よりスタートした。

本作の主人公となるジョン・ハンター(1728〜1793)は、18世紀イギリスで活躍した外科医・解剖学者で、近代外科学の礎を築いた人物として知られる。タイトルの「レザレクション」とは「復活・蘇生」を意味する英単語だが、当時のイギリスで横行した「死体泥棒(レザレクション・メン)」とも深く関わりを持つ言葉であり、この時代の医学史の暗部をも射程に入れた作品であることが伺える。

18世紀のイギリス医学界は、解剖学の発展に伴い人体の研究需要が急増する一方、合法的に入手できる遺体は極めて限られていた。そのため、墓を暴いて遺体を医学校に横流しする「死体泥棒」が社会問題となっていた時代でもある。ハンターはそうした混沌とした時代を生き抜きながら、膨大な標本収集と実験によって外科学を「職人の技」から「科学」へと昇華させた人物であり、「怪人」と称されるほど型破りな生涯を送った。

ヤングキングBULLは少年画報社が刊行する月刊青年誌で、骨太なドラマや歴史・アクション系の作品を多く擁している。今回の「レザレクション」も、医療と死と科学が交差する重厚なテーマを扱う作品として、誌面にしっかりとはまりそうな印象を受ける。

作者のてぃーろんたろんは、独特のペンネームとは裏腹に、緻密な画面構成と物語への真摯な向き合い方で知られるマンガ家だ。18世紀ロンドンという舞台を描ききるための画力と調査力がどこまで発揮されるか、第1話の時点からすでに注目を集めている。

医療史や解剖学の世界をマンガで描いた作品は国内外にいくつか存在するが、ジョン・ハンターという人物に正面から向き合った作品は日本のマンガ界ではほぼ前例がない。その意味でも、本作は単なる歴史マンガにとどまらない、新しい切り口の医療叙事詩になる可能性を秘めている。

「近代医学の怪人」と呼ばれた男の生涯が、これからどのように描かれていくのか。連載の行方から目が離せない。