2025年4月6日、「虎鶫」などで知られるマンガ家・ippatuの最新作「猩猩姫(しょうじょうひめ)」第1巻が発売された。あの「西遊記」を斬新な切り口で描き直した、アクションとラブコメが融合した意欲作だ。
本作の主人公は、岩に封印されて記憶をなくした少女・孫悟空こと猩猩姫。そう、あの斉天大聖・孫悟空が女の子として登場するのが本作最大のポイントだ。封印から目覚めた彼女が出会うのが、イケメン僧侶。一目惚れした猩猩姫は、その僧侶を追いかけながら旅をともにすることになる。おなじみの「西遊記」の骨格を残しつつも、恋愛要素を大胆に組み込んだ設定は、原作を知っていても知らなくても楽しめる作りになっている。
「西遊記」といえば、孫悟空・三蔵法師・猪八戒・沙悟浄が天竺を目指す中国の古典文学として日本でも広く知られている。これまでも数多くのアニメや漫画が「西遊記」をモチーフにしてきたが、本作はその中でも特に主人公の性別を変えるという大胆な解釈を採用している。記憶喪失という設定も加わり、読者と一緒に世界を再発見していくような構成になっているのが巧みだ。
作者のippatuは、「虎鶫」で独特の世界観とキャラクター造形を見せてきたクリエイターだ。アクションシーンの描写力と、キャラクターの感情表現の豊かさに定評があり、今作でもその強みが存分に発揮されることが期待される。ラブコメとアクションというジャンルを同時に成立させるのは難易度が高いが、ippatuの画力と構成力があれば説得力のある作品になりそうだ。
「孫悟空が恋をする」という設定は一見突飛に思えるかもしれないが、西遊記の物語が「成長と旅」を描くものだと考えれば、恋愛感情を通じて記憶と自分自身を取り戻していくというテーマは非常に相性がいい。ギャグとシリアスのバランス、そして恋愛模様がどう展開していくのか、早くも続刊が楽しみになる第1巻だ。
第1巻は現在発売中。今後の巻での世界観の広がりや、旅の仲間たちがどう登場するのかにも注目していきたい。