甘井による新作マンガ『適応障害で会社を辞めた新卒とぼっち配信者』の第1巻が、2025年4月7日にスクウェア・エニックスより発売された。精神科医の岩波明が監修を務めており、メンタルヘルスをテーマに据えた作品として注目を集めている。

本作は、適応障害を発症して新卒で入った会社を退職した主人公と、ひとりで配信活動を続けるいわゆる"ぼっち配信者"の交流を描いた物語だ。タイトルが示すとおり、ふたりともそれぞれの孤独を抱えており、そんな"ふたりぼっち"が少しずつ心を通わせていく様子が丁寧に描かれる。

近年、適応障害や心の病を正面から取り上げるマンガは増えてきているが、本作が一線を画すのは精神科医による監修が入っている点だ。岩波明は昭和大学医学部精神医学講座の主任教授を務め、発達障害やメンタルヘルスに関する著書も多い専門家。医学的な正確さを担保しつつ、当事者が「自分のことが描かれている」と感じられるリアリティを追求した作品になっていると期待できる。

適応障害は、特定のストレス要因によって引き起こされる精神疾患で、近年は若い世代を中心に認知度が高まっている。一方で「甘え」「根性が足りない」といった誤解も根強く残っているのが現状だ。本作がそうした偏見に対してどのようなアンサーを示すのか、読み進めるうえで大きな見どころのひとつになるだろう。

もうひとりの主人公であるぼっち配信者というキャラクター設定も、現代らしいリアリティがある。配信という行為は、画面の向こうに視聴者がいながらも、本質的には孤独な営みでもある。そのアンビバレントな孤独感と、適応障害で社会から一歩引いた主人公の孤独感が、どのように共鳴し、ぶつかり合い、やがて癒し合っていくのか——そこに本作の核心がある気がしてならない。

スクウェア・エニックスはこれまでも社会問題や現代の生きづらさをテーマにしたマンガを積極的に世に送り出してきた実績がある。今作もそうした文脈で語られる一作になりそうだ。まずは1巻がどんな反響を呼ぶか、そして今後の展開がどのように描かれていくか、続報に注目していきたい。