『映画大好きポンポさん』の平尾隆之監督が手がけるオリジナルアニメーションプロジェクト「WASTED CHEF(仮)」が、第79回カンヌ国際映画祭の「アヌシー・アニメーションショーケース」に選出された。プログラムの告知映像には制作中の本編映像の一部が収められており、ファンにとって待望の初公開となっている。

カンヌのアニメーションショーケースに選出

今回の舞台となる「アヌシー・アニメーションショーケース」は、カンヌ国際映画祭の公式プログラムの一環として開催されるアニメーション特化のプレゼンテーション企画だ。開催期間は5月15日から17日の3日間。世界的に権威あるこの映画祭の場で日本のオリジナルアニメーションがプレゼンされるという事実だけでも、本作への注目度の高さが伝わってくる。

公開された告知映像では、大きな作業台やグリドル、数々の調理器具や調味料が並ぶキッチンを描いた美術ボードも新たに披露された。タイトルの「WASTED CHEF」という言葉が示すように、料理にまつわる物語であることが読み取れるが、その"WASTED"という単語が持つ多義的なニュアンスが、単純な料理アニメとは一線を画す何かを予感させる。

『ポンポさん』スタッフが再集結

本作の最大の注目点は、平尾隆之監督を中心に『映画大好きポンポさん』のスタッフ陣が再集結している点だろう。2021年に公開された『映画大好きポンポさん』は、映画制作の現場を描いたオリジナルアニメーション映画として高い評価を獲得。映像表現のセンスと、エンターテインメントとしての完成度を両立させた作品として、アニメファンのみならず映像業界からも注目を集めた。

その平尾監督が次に選んだテーマが「料理」というのは、一見意外にも思えるかもしれない。しかし、『ポンポさん』でも描かれた「何かに狂おしいほど情熱を注ぐ人間の姿」というテーマは、料理の世界とも親和性が高い。前作で培った人間ドラマの描き方が、どのようにキッチンという舞台で花開くのか、期待せずにはいられない。

世界デビューが意味するもの

国内での発表を経ずに、まずカンヌという世界の舞台でプレゼンされるという流れは、本作が最初から国際市場を見据えたプロジェクトであることを示唆している。近年、日本のアニメーションが海外の映画祭やマーケットで存在感を増しているなかで、「WASTED CHEF(仮)」がどのような評価を受けるのかは、作品の行方を占う上でも重要な指標となりそうだ。

カンヌでのプレゼン後、国内向けの詳細発表がどのタイミングで行われるのかも含め、今後の続報に注目したい。