「あめつちだれかれそこかしこ」「flat」で知られる漫画家・青桐ナツの新連載「えんやくるくる」が、4月21日よりマグコミにて連載スタートした。虚弱体質の男子高校生と、雪女の息子だという謎めいた青年を主人公に据えた作品だ。

「えんやくるくる」はどんな物語か

本作の主人公は、体が弱く思うように動けない虚弱体質の男子高校生。そこへ現れるのが、自らを「雪女の息子」と名乗る青年だ。人間と妖怪の血を引くという異質な存在と、病弱ゆえに日常の中で孤立しがちな少年——ふたりの間に生まれる「縁(えん)」を描く物語と見られる。タイトルの「えんやくるくる」という響きからも、運命や縁がくるくると巡り合っていくような、温かみのある世界観が伝わってくる。

マグコミはスクウェア・エニックス運営のWeb漫画誌で、個性的な作品を多数抱えるプラットフォーム。青桐ナツ作品との相性にも期待が高まる。

青桐ナツという作家の魅力

青桐ナツといえば、妖怪や自然、人と人ならざるものとの関わりを情感豊かに描いてきた作家だ。代表作「あめつちだれかれそこかしこ」では、日本の風土に根ざした妖怪たちと人間の交流をしっとりとした筆致で描き、根強いファンを獲得している。「flat」でも静かな日常の中に潜む感情の機微を丁寧に掬い取る作風が光っていた。

今回の「えんやくるくる」も、その延長線上にある作品と捉えてよさそうだ。雪女の息子という設定は、純粋な妖怪でも純粋な人間でもない「はざまの存在」であり、同じく社会の中でどこか居場所を見つけにくい虚弱な主人公と重なる部分がある。青桐ナツが得意とする、傷つきやすい者同士が静かに寄り添っていく物語になるのではないかと予感させる。

虚弱体質の主人公という設定も、単なるキャラクター付けにとどまらず、「生きることの不自由さ」や「他者との距離感」を描くための装置として機能しそうだ。青桐ナツの作品を追ってきた読者なら、その丁寧な感情描写に期待せずにはいられないだろう。

連載はマグコミにて読むことができる。今後の展開や登場キャラクターの詳細など、続報が明らかになるたびに注目が集まりそうな一作だ。