本作は、ホリプロが原案、柏原麻実がストーリーを担当し、松本剛が作画を手がける体制で制作されている。ごく普通の4人家族を舞台に、弟が小児がんを患うことで揺れ動く家族それぞれの感情と絆を丁寧に描いていく物語だ。
ホリプロ原案×松本剛という異色のタッグ
本作で注目したいのは、その制作体制の珍しさだ。芸能プロダクションとして知られるホリプロが原案に名を連ねており、エンターテインメント業界の知見を活かしたドラマ性の高い作品づくりが期待できる。ストーリーを担当する柏原麻実と、作画の松本剛という分業体制も、それぞれの強みを活かした作品になりそうだ。
松本剛といえば、繊細な人物描写と感情表現に定評のある作家として知られている。家族の日常と、そこに突然訪れる病という現実を、どのような筆致で描き出すのかはファンとしても気になるところだ。
「普通の家族」だからこそ刺さる物語
タイトルにある「ひととせ」とは一年を意味する言葉で、病と向き合いながら過ごす家族の一年間を追う構成になっていると思われる。小児がんという重いテーマを正面から扱いながらも、「ごく普通の4人家族」という設定にすることで、読者が自分自身や身近な家族に重ねやすい作品になっているのが本作の核心といえるだろう。
医療や闘病をテーマにした作品はこれまでも数多く生まれてきたが、本作が患者本人だけでなく家族全員の視点から物語を紡ごうとしている点は、現代の読者に届く新たな切り口になり得る。病を抱えた弟だけでなく、親や兄弟姉妹がそれぞれどう変わり、どう支え合うのかという群像劇的な深みにも期待が高まる。
連載はマンガボックスにて配信中。今後の話数を重ねるごとに、この家族の物語がどう展開していくのか、続報と合わせて追っていきたい。