"まったく同じ投稿作"という奇妙な設定
本作は、マンガ賞の選考に届いたヒロインが、自分の投稿作とまったく同一の作品の存在に気づくところから始まる。誰が、いつ、なぜ同じ作品を送ってきたのか――その謎を軸に物語が展開していく。
タイトルに「(仮名)」と括弧書きされた中村という人物名が入っている点も、どこか不穏な印象を与える。実際に起きた話のように見せかけるモキュメンタリー(偽ドキュメンタリー)のフォーマットを採用しており、現実とフィクションの境界線を意図的にぼかすことで、独特の怖さを生み出している。
原作・作画のタッグに注目
本作は雪島田が原作を、林テトラが作画を担当する分業体制で制作されている。マンガ業界の内側、すなわち"投稿作"という題材を選んでいることも興味深い。マンガを描く人間にとって、自分の作品が別の誰かによって存在していたという恐怖は、ひときわリアルに響くはずだ。
読み切りという短い尺の中で、モキュメンタリーという形式をどこまで活かせるかが見どころになる。ホラーとしての完成度はもちろん、この原作・作画コンビが今後どのような展開を見せるかも気になるところだ。
少年ジャンプ+では現在無料で読むことができるので、まずは一読してみてほしい。今後この二人のタッグが新たな連載へと発展するのか、引き続き注目していきたい。