新連載「友達からでもいいですか」、本日より配信開始

「私の少年」「ジーンブライド」で知られる漫画家・高野ひと深の新連載「友達からでもいいですか」が、2025年7月31日より新潮社のウェブコミック誌「コミックバンチKai」にて連載をスタートした。

物語の主人公は、東京の外資系映像配信会社に勤める田島想乃(たじまその)。ある日、福岡で地方タレントとして活動する学生時代の友人・白石小春が、人気男性アイドルグループのメンバーとの熱愛報道によってネット上で炎上してしまう。傷ついた小春が頼ってきたとき、想乃は自分の中に芽生えた奇妙な感情に気づく——それは、友人の不幸を前にした「悦び」だった。

高野ひと深が得意とする"言葉にしにくい感情"の世界

高野ひと深といえば、「私の少年」での年齢差を超えた複雑な感情や、「ジーンブライド」での結婚・出産をめぐる女性の葛藤を、丁寧かつ鋭く描いてきた作家だ。どちらの作品にも共通しているのは、「きれいとは言えない感情」を正面から描き、それでも登場人物を突き放さないという姿勢である。

今作「友達からでもいいですか」も、その延長線上にある作品と言えるだろう。友人の炎上という他者の不幸に悦びを感じてしまうという感情は、多くの人が心の奥底に持ちながら、決して口にしない類のものだ。それをタイトルの「友達からでもいいですか」という問いかけとともに提示することで、読者に「自分もそうかもしれない」という引っかかりを与えてくる。

SNSによる炎上という現代的なテーマと、長年の友情という普遍的な関係性を組み合わせた構成は、高野作品の新たな代表作になり得るポテンシャルを感じさせる。原作ファンはもちろん、大人の人間関係の機微に興味がある読者にとっても、刺さる作品になりそうだ。

第1話の配信が始まったばかりの本作、今後の展開でどのように想乃と小春の関係が変化していくのか、続報に注目したい。