公園で発見されたカップルの凄惨な遺体、そして浮かび上がる意外な「犯人」の正体――鹿を題材にしたパニックホラーとして、早くも注目を集めている。

鹿が牙をむく、前代未聞のパニックホラー

タイトルの「禍角」は読んで字のごとく、「禍をもたらす角(つの)」を意味するのだろう。公園に残された異様な惨殺体という衝撃的な導入から始まる本作は、犯人が熊でも人間でもなく「鹿」であるという設定が最大のフックになっている。

熊や狼といった「強い肉食獣」ではなく、一見おとなしい草食動物である鹿が人間を襲うという設定は、ホラーとしての不気味さを一段階引き上げる要素だ。「なぜ鹿が?」という疑問が読者を物語に引き込む構造になっており、パニックホラーとしての土台はしっかりと作られている印象を受ける。

「夜の過客」の板垣雅也が手がける新境地

作者の板垣雅也は、「夜の過客 Night Exile」で知られる漫画家だ。前作では夜の街を舞台にした独特の空気感と緊張感を描き、着実にファンを獲得してきた。そのセンスをパニックホラーという新たなジャンルに注ぎ込んだのが本作であり、作風の幅広さが試される一作とも言える。

週刊漫画TIMESは芳文社が刊行するベテラン向けの青年漫画誌で、骨太なドラマ性を持つ作品が多く掲載されてきた媒体でもある。パニックホラーというエンターテインメント色の強いジャンルがこの誌面でどう展開されるか、その化学反応にも期待したいところだ。

原作ファンはもちろん、動物パニックものや日本産ホラーマンガを好む読者にとっても、押さえておきたい新連載になりそうだ。今後の展開や単行本化の情報にも引き続き注目していきたい。