「外道の歌」で知られる渡邊ダイスケが、新連載「宇宙人はいらない」を3月27日発売のビッグコミックスペリオール8号(小学館)でスタートさせた。法制度が崩れた世界を舞台に、むき出しになっていく人間の本性を描く日常ディストピア作品だ。

連載は本日発売号からの開始となり、1話がビッグコミックスペリオール誌上に掲載されている。タイトルの「宇宙人はいらない」という言葉が何を意味するのか、すでに読者の間では様々な憶測が飛び交っている状況だ。

渡邊ダイスケといえば、「外道の歌」で圧倒的な存在感を示した作家だ。「外道の歌」は、法では裁けない悪を私的に制裁するという強烈なテーマを、容赦のない描写で描き切った作品で、その過激さと人間描写の鋭さから熱狂的なファンを獲得した。その渡邊が次に選んだテーマが「法制度が崩れた世界」というのは、いかにも彼らしい選択と言えるだろう。

「外道の歌」が「法の外側」を描いたとすれば、「宇宙人はいらない」は「法そのものが機能しなくなった世界」を舞台にしている。これは単なる設定の延長ではなく、渡邊が一貫して追い続けているテーマ、つまり「社会のルールが人間の本性をどこまで縛れるか」という問いの、より根本的な形での追求と見ることができる。

「日常ディストピア」という言葉が示すように、舞台はおそらく遠未来のSF世界ではなく、どこか現実と地続きの崩壊した社会だと思われる。法という歯止めを失った人間がどのように振る舞うのか、渡邊の筆がどれだけ容赦なくそれを描くのか、前作のファンであれば期待と緊張が入り混じるような感覚を覚えるはずだ。

ビッグコミックスペリオールはこれまでも「ビッグコミック」系列らしい骨太な社会派作品を多数掲載してきた雑誌であり、渡邊ダイスケの新作を受け止めるフィールドとしては申し分ない。前作で見せた重厚な人間描写と、新たな世界観がどのように融合するのか、連載が進むにつれてその全貌が明らかになっていくだろう。

今後の展開と、謎めいたタイトルの意味が解き明かされる日が待ち遠しい。