「ガチ恋粘着獣」で知られる漫画家・星来の新作「呂色麗の冥婚論」第1巻が、2025年4月20日にコアミックスより発売された。テーマは"死者との結婚"という、星来作品らしい濃密な人間関係と独特の世界観が期待される意欲作だ。

「死者との結婚」という異色のテーマ

本作のタイトルにある「冥婚」とは、文字通り冥界にまつわる婚姻、すなわち死者との結婚を意味する概念だ。主人公・呂色麗を中心に、生と死の境界線をまたぐ関係性を描いていくものと見られる。現実の風習としても一部の文化圏に存在する「冥婚」をテーマに据えた点は、ラブストーリーやヒューマンドラマの新境地を開拓しようとする意欲が感じられる。

第1巻はコアミックスからの発売で、星来がこれまで培ってきた「執着」や「歪な愛情」を描く筆致が、今度はどのような形で昇華されるのか注目が集まる。

「ガチ恋粘着獣」の作者が放つ新境地

星来といえば、ネット配信者とその熱狂的なファンの関係を描いた「ガチ恋粘着獣 ~ネット配信者の彼女になりたくて~」で大きな注目を集めた作家だ。同作は、いわゆる"推し活"の過熱や依存心、承認欲求といった現代的なテーマをリアルかつ生々しく描き、賛否両論を巻き起こしながらも多くの読者を獲得した。

その星来が次に選んだテーマが「死者との結婚」というのは、一見すると大きな方向転換に見えるかもしれない。しかし「ガチ恋粘着獣」でも描かれていたのは、突き詰めれば届かない相手への執着と、歪んだ形で結実しようとする感情だった。その意味では、「呂色麗の冥婚論」は星来作品の根幹にあるテーマを、より幻想的・寓話的な舞台で描いた作品とも読み取れる。前作ファンなら、その連続性と変化の両方を楽しめるはずだ。

一方で、新規読者にとっても「冥婚」という耳慣れないテーマへの興味から入りやすい作品になっている可能性は高い。ダークな設定の中にどれだけの感情的リアリティを込められるか、星来の作家としての真価が問われる一作となりそうだ。

第1巻が発売されたばかりの本作、今後の続刊や読者の反応とともに、さらなる情報が出てくることに期待したい。