連載スタート、その内容とは
わたなべ志穂の新連載「花城院家の嫁取り」が、本日5月8日発売のプチコミック6月号(小学館)にてスタートした。作者のわたなべ志穂はプチコミックを主な活動の場とし、繊細な心理描写と読者を引き込むストーリー展開で支持を集めてきた作家だ。
本作の主人公は、千惺(ちせ)という女性。誰もが羨むような優しくてカッコいい彼氏を持ち、大好きな出版の仕事にも恵まれた、傍目には充実した生活を送っている。しかし、そんな彼氏からの愛情はどこか「いびつ」で、千惺は少しずつ追い詰められていく——というのが物語の出発点だ。
「完璧な彼氏」という名の檻
今作が興味深いのは、いわゆる「モラハラ」や「過干渉」といった問題を、一見すると理想的な恋人像の裏側に潜ませているという構造にある。外から見れば羨ましいほど完璧な彼氏が、実は主人公を徐々に追い詰めているという設定は、現実の恋愛における「見えにくい支配」を鋭くえぐるテーマだ。被害を受けている当人ですら気づきにくい、そういった関係性の歪みをどう描くかが、この作品の核心になるだろう。
プチコミックはかねてより、恋愛の甘さだけでなく、その複雑さや痛みに踏み込んだ作品を多く掲載してきた雑誌だ。わたなべ志穂の繊細なタッチと、こうしたテーマの相性は決して悪くない。原作ファンからすれば、作者がどこまで踏み込んだ心理描写を見せてくれるのか、期待と緊張が入り混じるスタートといえる。
千惺がこの歪んだ愛の正体に気づき、そこからどう動き出すのか——今後の展開から目が離せない。