新スタジオ「Oval Gear」とは
新スタジオの名称は「Oval Gear」。大友克洋自身が設立した長編アニメーション専門のスタジオで、現在アニメーターおよびプロダクションスタッフの採用を行っている。第1作はすでに制作段階に入っているとのことだが、タイトルや公開時期などの詳細はまだ発表されていない。大友克洋が自らスタジオを立ち上げるという異例の動きは、アニメ業界に大きな波紋を呼んでいる。
大友克洋と「AKIRA」——その偉大な軌跡
大友克洋といえば、1988年に公開された劇場アニメ「AKIRA」の原作者・監督として世界的に知られる存在だ。第三次世界大戦から31年後の荒廃と再建を繰り返すネオ東京を舞台に、暴走族の少年・鉄雄が超能力に目覚め、「アキラ」という存在の謎へと引き込まれていくSFアクション大作。公開当時、そのリアルな作画表現と圧倒的なスケール感は世界中のクリエイターに衝撃を与え、日本アニメが海外で広く認知されるきっかけのひとつになったと言われている。
「AKIRA」以降も、オムニバス映画「MEMORIES」(1995年)や長編「スチームボーイ」(2004年)など、大友克洋は常に映像表現の最前線に立ち続けてきた。それだけに、自らスタジオを設立して新たな長編に挑むというニュースは、単なる新作発表以上の重みを持つ。
「大友克洋が自分のスタジオを持つ」という意味
注目すべきは、大友克洋がこれまでのように既存のスタジオと組むのではなく、自ら制作体制を一から構築しようとしている点だ。長編アニメーションに特化したスタジオとして立ち上げることで、商業的な制約にとらわれない、より純粋な作家性を追求できる環境が整う可能性がある。スタッフ募集が行われているということは、プロジェクトは着実に動き始めており、単なる構想段階ではないことがうかがえる。
「AKIRA」から数十年を経てなお、大友克洋の名前が持つ求心力は衰えていない。どのような作品が生まれるのか、スタッフの顔ぶれも含め、続報が入り次第お伝えしていきたい。