友達の家を転々とする女子高生の、忘れられない初恋
本作の主人公は、毎日友達の家を転々としながら孤独を紛らわせている女子高生・立夏。家に居場所を持てない彼女が心の支えにしてきたのは、中学時代に出会った男子・響への想いだった。
物語の幕開けは、ある夜のピンチから始まる。友人のつながりで知り合った女癖の悪い先輩に迫られ、手を上げられそうになった立夏のもとに、突然響が現れて助けてくれるという展開だ。孤独と初恋、そして運命的な再会というSho-Comiらしい王道の設定が、序盤からしっかり揃っている。
北条よしのが描く「居場所のない少女」の物語
作者の北条よしのは、少女漫画誌を中心に活動してきた作家だ。今回の新連載では、「毎日違う友達の家に泊まる」という設定が主人公の孤独感をリアルに体現しており、単なる恋愛ものに留まらない奥行きを感じさせる。
立夏がなぜ家に帰れないのか、響とはどんな形で再会を果たすのか——序盤から謎と感情の引きが丁寧に設計されており、読者を物語に引き込む構造がしっかりできている。響が「突然現れた」という描写も、単なるご都合主義ではなく、ふたりの間にある特別なつながりを予感させる。
また今号のSho-Comi16号には、篠原千絵「天は赤い河のほとり」の名シーンコレクションシールが付属。往年のファンにも嬉しい特典だ。
「メゾン・ブルーヘブン301号室」は連載が始まったばかりで、立夏と響の関係がどう深まっていくのか、今後の展開が楽しみなところ。次号以降で明かされていくであろう立夏の家庭事情や、響が現れた経緯にも注目したい。