日常と戦いが交差する、二人の絆の物語
今回公開された予告編では、穏やかな日常のシーンと激しい戦闘シーンが交互に映し出される中、二人の関係性の深さが浮かび上がってくる。パインは「いつも守られる側の自分は、友人として失格だ」と自らの無力さを嘆き、一方でサファイアが「これは呪いだ」と絶望に沈む場面では、今度はパインが「呪いとは言葉から生まれるもの。だから言葉の力で解くことができる」と語りかける。守る者と守られる者が入れ替わるこの構図は、単なる友情描写にとどまらず、作品全体のテーマを象徴するような台詞として印象に残る。
手塚治虫の名作を現代のクリエイターが再解釈
本作は、手塚治虫の伝説的マンガ『リボンの騎士』にインスパイアされたアニメ映画。監督を務めるのは五十嵐祐貴で、スター・ウォーズ:ビジョンズの「ロップとオチョー」の監督・キャラクターデザインや、Gen Hoshinoのミュージックビデオ、さらに『呪術廻戦』第1期のエンディングにおけるソロ原画など、多彩なキャリアを持つクリエイターだ。制作は五十嵐監督が率いるスタジオOUTLINEが担当している。
物語の主人公は、かつて存在した王国の王女サファイア。故郷シルバーランドを「ネルガル」と呼ばれる災厄によってすべて失い、絶望の中をさまよいながらゴールドランドへとたどり着く。そこで出会う人々の温かさに希望の光を見出し始めるが、安息の日々を嘲笑うかのように、ネルガルが再び現れる——という筋書きだ。
アクション・ファンタジー・魔法少女という三つのジャンルが交差する本作は、原典の持つ「性別と権力」をめぐるテーマを現代的な文脈で問い直す意欲作と言えるだろう。五十嵐監督のビジュアルセンスと、OUTLINEの緻密な映像作りがどのように結実するのか、公開前から期待が高まる一作だ。公式サイトやNetflixでの続報に引き続き注目したい。