3本の新連載、それぞれの概要
今号でスタートした新連載は以下の3作品。
黒衣シラフ「僕の陛下になってください~学園国家革命前夜~」は、巻頭カラーで飾った今号の目玉。タイトルから漂う"学園国家"というワードが独特で、生徒たちが権力闘争を繰り広げる政治的な学園ものであることが窺える。革命前夜という副題が示す通り、単なる青春群像劇にとどまらない、スケールの大きな物語が展開されそうだ。
やまのねじ「鬼に拾われた花嫁」は、生贄として差し出された少女と鬼の婚姻を描く和風ファンタジー。近年の少女漫画誌では定番ジャンルとも言えるあやかし・妖怪系の婚姻譚だが、「拾われた」という表現に込められたニュアンスが気になるところ。鬼側のキャラクター造形次第で、作品の色がガラリと変わるジャンルだけに、第1話の描き方に注目したい。
ぴゃあ「ましろお嬢様は完璧執事を攻略できない!」は、3作の中でもっとも軽やかなラブコメ路線。タイトルの「攻略できない」という言葉から、お嬢様が完璧すぎる執事に翻弄されるのか、逆にお嬢様が執事の鉄壁の仮面を崩そうとするのか、読者の想像を掻き立てる。
少女漫画誌としてのプリンセスの戦略
月刊プリンセスといえば、「ガラスの仮面」「ベルサイユのばら」といった少女漫画の金字塔を生み出してきた老舗誌。近年は和風ファンタジーや政治・権力系の物語など、骨格のしっかりした作品を積極的に掲載しており、今回の3本はその方向性を象徴するラインナップとも言える。
特に「僕の陛下になってください」が巻頭カラーを飾ったことは、編集部がこの作品に大きな期待を寄せている証だろう。学園という身近な舞台に国家・革命という壮大なテーマを持ち込む構成は、プリンセスが得意とするドラマチックな少女漫画の文脈に沿っており、長期連載への布石としても興味深い。
一方で、3作同時スタートというのは雑誌にとってもリスクを伴う大きな賭け。それぞれが読者の支持を得て定着できるか、今後の展開が雑誌全体の勢いを左右することになる。
月刊プリンセス9月号は8月6日発売中。3作品の続報や次号情報に引き続き注目していきたい。