戦国コメディの名手が挑む、"負け続ける男"の物語
新連載のタイトルは「最弱のオダ ~小田氏治物語~」。本日8月12日発売のヤングアニマル16号(白泉社)に掲載され、初回はなんと一挙2話という太っ腹な構成でスタートを切った。さらに、WebマンガサイトのヤングアニマルWebでも無料公開中となっており、気になる人はすぐにチェックできる環境が整っている。
主人公となる小田氏治は、戦国時代に常陸国(現在の茨城県)を治めた武将。その特徴は、とにかく戦に弱いこと。北条氏や佐竹氏といった強豪勢力に何度も攻め込まれ、城を奪われるたびに奪い返すという"不死鳥"ぶりで知られる人物だ。しかし、その諦めない精神力から「戦国最弱にして最強のメンタル」として一部の歴史ファンに愛されており、近年じわじわと注目度が高まっていた武将でもある。
「信長の忍び」の作者が贈る、新たな戦国ギャグ漫画
重野なおきといえば、2008年から連載を続ける「信長の忍び」で広く知られる存在だ。同作は、織田信長に仕える忍び・千鳥を主人公に、戦国時代の出来事を4コマ形式でコミカルに描いた作品で、アニメ化もされた人気シリーズ。歴史的事実をしっかり踏まえながらも、独特のテンポと笑いで戦国時代をわかりやすく、そして楽しく描き出すのが重野作品の真骨頂だ。
その重野が次に選んだ題材が「最弱の武将」というのは、実に納得感がある。信長という天下人の視点から描いてきた作者が、今度は負け続けながらも立ち上がり続ける男に焦点を当てるというのは、ある意味でコインの裏表のような試みとも言える。勝者の物語ではなく、敗者の側から戦国時代を笑いとともに描き直す——そんな新しい切り口に期待が高まる。
また、タイトルに「オダ」を冠しているのも意図的な遊び心だろう。「信長の忍び」の織田信長も"オダ"であり、知名度では天と地ほどの差がある二人の"オダ"を並べることで、笑いと哀愁の両方を引き出そうとする狙いが透けて見える。
「最弱のオダ」が今後どんな笑いと感動を届けてくれるのか、連載の行方から目が離せない。