全身義体の傭兵が「引退後」を生きる——異色のSFラブコメ

本作の主人公は、長年の戦場生活で全身を機械化した元傭兵。戦いの日々に別れを告げ、辺境の惑星に移り住んだ彼が次に目指すのは、なんと「お嫁さん探し」だ。無骨な義体と柔らかなロマンスというギャップが、作品の大きな魅力になりそうな設定である。

原作を手がけるのはリュート、作画はマツセダイチという布陣。スクウェア・エニックスの青年マンガ誌・月刊ビッグガンガンでの連載ということで、SFの世界観をしっかり描き込みつつ、ラブコメとしての読み心地も追求した作風が期待できる。

「義体×ロマンス」という組み合わせが持つ可能性

義体や機械化身体をテーマにしたSF作品は数多くあるが、そこに「花嫁探し」というコメディ要素を掛け合わせた作品はなかなか珍しい。戦場で研ぎ澄まされた感覚と、恋愛という人間的な感情のぶつかり合いは、単純なラブコメとは一味違うドラマを生み出すはずだ。

また、舞台が「辺境惑星」という点も見逃せない。都市部ではなくフロンティア的な惑星を選んでいることで、主人公の「社会からのドロップアウト」という側面が強調され、タイトルの意味もより深く響いてくる。義体ゆえに「顔のない男」として生きてきた主人公が、人と人とのつながりを求めていく物語には、SFならではの哲学的な問いも潜んでいそうだ。

マツセダイチの作画については、SFメカニックとキャラクターの感情表現をどう両立させるかが注目ポイント。第1話の絵柄からは、ハードな世界観とコミカルな表情描写が共存しており、この方向性が今後どう深化していくか楽しみなところだ。

月刊ビッグガンガンは毎月25日発売。第2話以降の展開で、この世界観がどこまで広がっていくのか、引き続き注目していきたい。