海と山に囲まれた町で始まる物語
花園照輝の新連載「天使に撃たえば」が、8月27日発売の月刊!スピリッツ10月号(小学館)にてスタートした。
舞台となるのは、海と山に囲まれたとある地方の町。主人公の高枝シホは、「どこか遠い場所へ行きたい」という漠然とした渇望を抱えながら、売春でお金を稼いで日々をやり過ごしている少女だ。適当に付き合っている彼氏の知り合い・島崎アキオの存在がなんとなく気になり始めたシホは、ある日、意外な場所で彼の姿を目撃する——。第1話はそんな出会いの予感を静かに描いた幕開けとなっている。
地方の閉塞感と、逃げ場を探す若者たち
この作品が注目を集める理由のひとつは、その題材の生々しさにある。売春、地方からの脱出願望、曖昧な人間関係——いずれも現代の若者が抱える問題をストレートに射抜くテーマであり、読み手によっては胸に刺さる部分が少なくないだろう。
月刊!スピリッツはこれまでも、青春の光と影を丁寧に掬い取る作品を数多く掲載してきた雑誌だ。「天使に撃たえば」というタイトルの「撃たえば」という独特の表記も、どこか詩的でありながら不穏さをはらんでおり、物語の方向性を暗示しているように感じられる。
花園照輝がシホとアキオの関係をどのように発展させ、「遠い場所」への渇望をどう描いていくのか。地方を舞台にした閉塞感の表現や、若者の自傷的な選択を物語の中でどう昇華するかが、今後の焦点になりそうだ。連載の続報に引き続き注目したい。