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友達が欲しい少女と、陽気な幽霊の邂逅

物語は、小学生の女の子が桜の木にぶら下がる和服姿の幽霊と出会うところから始まる。一見すると不思議な取り合わせだが、2人が言葉を交わすうちに、女の子が友達付き合いにうまく馴染めないという悩みを抱えていることが明らかになる。

幽霊は「友達なぞいなくても人生は楽しい」と飄々と励ますが、女の子にはどうしても友達が欲しい、切実な理由があって——。この引きが、ショート連載ならではのテンポの良さで描かれており、第1話からしっかりと読み手を物語に引き込む構成になっている。

新鋭・飯田くるむとはどんな作家か

作者の飯田くるむは、2024年の小学館新人コミック大賞で佳作を受賞した新鋭作家。今号と同時期に発売された増刊flowers夏号でも読切を発表しており、flowers誌面では着実にその存在感を高めてきた。

新人コミック大賞からflowersの本誌連載へというルートは、同誌が若い才能を育てる場として機能していることを示す好例でもある。幽霊という非日常的なキャラクターと、友達関係という子どもにとってリアルな悩みを掛け合わせた設定は、一見ライトに見えて芯のある物語を予感させる。

今号のflowersはほかにも読みどころが満載

今月号の表紙と巻頭カラーには、吉田秋生「詩歌川百景」が登場。吉田秋生といえば『BANANA FISH』『海街diary』などを手がけた巨匠であり、その作品が誌面を飾ること自体、今号の充実ぶりを物語っている。

また、谷和野「終の花嫁」と花木アツコ「ガラクタワンダーハウス」が、9月28日発売の11月号で最終回を迎えることも明らかになった。長く読んできたファンにとっては感慨深いニュースとなりそうだ。さらに11月号では連載10周年とアニメ放送直前を記念した岩本ナオ作品の特集も予定されており、秋のflowersから目が離せない。

「桜の下には陽気な幽霊がいる」は連載が始まったばかり。飯田くるむがこの不思議な2人の関係をどう育てていくのか、次号以降の展開に注目したい。