門兵と妃の魂が入れ替わる、後宮謎解きファンタジー

本作は、祈月すいによる小説のコミカライズ作品。作画を担当するのは藤野かちりで、スクウェア・エニックスが運営するマンガアプリ「マンガUP!」にて10月7日に第1話が公開された。

物語の主人公は、後宮の門兵として働く青年・梓春(ししゅん)。ある日、毒によって倒れた皇帝の妃のひとり「采妃(さいひ)」と、突然魂が入れ替わってしまうところから幕を開ける。自分の体がどうなっているのか気になる梓春は、妃として後宮の内側に閉じ込められながら、真相を探っていくことになる。

後宮ものに「入れ替わり」を掛け合わせた新鮮な構図

近年、マンガ・ラノベ界隈では後宮を舞台にした謎解きや政治ドラマ系の作品が安定した人気を誇っている。本作がそのなかで際立つのは、「妃と門兵」という身分差のある男女の魂が入れ替わるという設定だ。女性視点が中心になりがちな後宮ものに、男性主人公の視点を持ち込むことで、後宮という閉ざされた空間を外側と内側の両面から描ける構造になっている。

また、毒による昏倒という謎めいた事件が物語の発端になっている点も見逃せない。単なる入れ替わりラブコメに留まらず、誰が采妃を毒殺しようとしたのかという謎解きの軸が物語を引っ張ることが期待できる。原作小説がすでに存在するため、伏線の張り方や謎の回収に一定の完成度が担保されている点も、コミカライズとしての安心感につながる。

後宮ファンタジーの新たな切り口として、今後どのように世界観と謎が展開されていくのか、続巻の情報にも注目したい。