「攻殻機動隊」の世界が、新たな切り口で動き出す

本作は、士郎正宗の代表作「攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL」と同一世界観・同一時間軸を共有するスピンオフ的新連載で、漫画は東直輝が担当している。舞台となるのは2029年4月10日——草薙素子や荒巻が率いる公安9課、通称「攻殻機動隊」が活動する、あの時代だ。

原作ファンにとっては、よく知るあの世界をまったく別の視点から眺めることができる、いわば「もう一つの攻殻」とも言える試みである。士郎正宗自身が原案として関わっているという点は、単なる二次創作やライセンス作品とは一線を画す、公式の世界拡張として受け止めるべきだろう。

「GLITCH WITCH」とはどんな作品か

「攻殻機動隊」といえば、電脳化・義体化が当たり前となった近未来社会を舞台に、人間のアイデンティティや「ゴースト(魂)」の在り方を問い続けてきたSF作品だ。1989年に連載開始した原作マンガは、その後押井守監督による劇場版アニメや「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」シリーズなど、多くのメディア展開を経て世界的な評価を獲得してきた。

「GLITCH WITCH」というタイトルは、「グリッチ(誤作動・バグ)」と「ウィッチ(魔女)」を組み合わせたもので、電脳世界と人間の境界線が曖昧なあの世界観にぴったりはまる響きを持っている。タイトルだけでも、主人公の立ち位置や物語の雰囲気がある程度想像できるのは、原作の世界観を熟知している読者にとって嬉しいところだ。

漫画家・東直輝への期待と、この連載が持つ意味

作画を担当する東直輝は、緻密な線と独自の画風で知られる漫画家だ。攻殻機動隊の世界観は、義体やサイバーパンク的なガジェット描写など、作画面での要求水準が非常に高い。その点で、東直輝がどのようにこの世界を描き起こすかは、原作ファンとしても純粋に気になるところである。

また、士郎正宗が原案として参加しているという事実は、この連載が単なるスピンオフ以上の重みを持つことを示唆している。原作者の監修のもとで描かれる「2029年」は、既存のアニメシリーズとはまた異なる解釈や設定が盛り込まれる可能性もあり、長年のファンにとっては細部の描写にも目が離せない内容になりそうだ。

ヤンマガWebでの連載という形態上、随時更新される展開も期待できる。今後のストーリーや、原作キャラクターとの絡みがどのように描かれていくのか、続報に注目したい。