2作品の内容と作家について

森田ゆきの新連載「幼なじみに好きって言わせたいし言いたい」は、タイトルからもにじみ出るように、幼なじみ同士の恋愛模様を描いたラブストーリー。「好きって言わせたい」「でも自分も言いたい」という、どちらも一歩踏み出せないもどかしさが絶妙に表れたタイトルで、読む前からキャラクターの関係性が想像できる。ちゃおの読者層に長く愛されてきた「幼なじみもの」というジャンルで、どんな化学反応を見せてくれるのか期待が高まる。

一方、五木愛の新連載「魔法使いルピナスの処方箋」は、魔法使いが登場するファンタジーオムニバス形式の作品。「処方箋」という言葉が示すように、主人公のルピナスが何らかの悩みや問題を解決していく、心温まる読み切り連作スタイルが想像される。ファンタジー世界観の中に人情味あふれるエピソードを積み重ねていく構成は、幅広い年齢層に刺さりやすい。

ちゃおで同時スタートの意味

ちゃおは小学館が刊行する少女漫画誌の中でも、特に小学生読者を中心としたコアなファンベースを持つ雑誌だ。そこで全く異なるジャンルの2作品が同号でスタートするのは、読者層の多様な好みをカバーしようという編集部の戦略とも読み取れる。恋愛ものとファンタジーオムニバス、どちらも少女漫画の王道でありながら、アプローチはまるで違う。

「幼なじみ」という普遍的なテーマと、「魔法使い」という非日常の世界。どちらの作品も、それぞれの作家がちゃおの読者に向けてどんな物語を紡いでいくのか、今後の展開から目が離せない。