恋愛未経験の大人たちが、いまさら恋の勉強を始める

新連載「おとなですが、はじめてです」は、恋愛経験のない大人2人が、幼なじみという近すぎる関係を背景に、恋の"本番"に向けてぎこちなく歩み出す物語だ。作者はヨシザワ。コミックシーモアにて先行配信がスタートしており、いち早く読める環境が整っている。

タイトルが示すとおり、主人公たちは「大人になってしまったけれど、恋愛はまだ未経験」という、なんとも共感を呼びそうな設定を持つ。幼なじみという間柄ゆえの距離感の近さと、恋愛初心者ゆえのぎこちなさが、独特の甘さと気恥ずかしさを生み出しているようだ。

「はじめて」の感情を大人になってから描く意味

恋愛漫画のジャンルにおいて、「幼なじみ」と「初恋」の組み合わせはド定番中のド定番だが、本作が少し違うのは、主人公たちがすでに「大人」であるという点だ。学生時代のときめきではなく、社会人として生きてきた大人が、いまさら恋の初歩から向き合わなければならないという状況には、独特のリアリティと切なさがある。

「なんで今まで付き合ったことないんだろう」という自問自答や、大人だからこそ余計に意識してしまうもどかしさは、10代の恋愛漫画では描きにくい感情だ。社会人読者にとっては、どこかひりひりするような共感を覚える作品になる可能性を秘めている。

また、「勉強」という言葉をあえてキーワードに据えているのも興味深い。恋愛を攻略すべき課題として捉えるような、ちょっとぎこちなくて真剣な姿勢が、コメディとしての笑いと、じんわりとした感動の両方を引き出す構造になっているのではないだろうか。

先行配信という展開にも注目

コミックシーモアでの先行配信という形での船出は、近年増えつつある「デジタル先行」の流れに乗ったものだ。紙の雑誌を待たずにいち早く読めるこの形式は、話題作りの面でも有効で、SNSでの口コミ拡散とも相性がいい。

ヨシザワ作品のファンはもちろん、「幼なじみもの」「社会人恋愛」「初々しいラブコメ」が好きな読者には刺さりそうな一作。連載が本格的に展開するにつれ、どんな化学反応が生まれるのか、続報に目を向けておきたい。