本日5月12日発売の月刊コミックビーム6月号にて、小日向まるこの新連載「わたしはおばけ」が幕を開けた。原案・協力としてmitoが参加しており、連載開始前から静かな期待が高まっていた作品がついに動き出した形だ。

アニメーターの女性が"闇"に飲み込まれていく——物語の核心

主人公・依茅子は、アニメーターとして日々絵を描き続ける女性。職場でも期待を寄せられ、着実にキャリアを積んでいるように見える。しかしその内側には、心を引き裂かれた過去が深く刻まれており、その傷は今もじわじわと彼女を蝕み続けている。そしてある日、依茅子はとうとうその"闇"に飲み込まれてしまう——。

タイトルの「わたしはおばけ」という言葉が、すでに多くを語っている。おばけとは、この世に留まりながらも存在を消していく何かだ。依茅子が自分自身を「おばけ」と感じるに至った経緯が、物語の核心を担うことになるだろう。

小日向まるこ×mitoという組み合わせが生む可能性

小日向まるこは、繊細な心理描写と独特の空気感で知られる作家だ。そこにmitoが原案・協力として加わっているという点が、この連載の大きな特徴となっている。mitoはボーカロイドシーンや音楽活動で培った感性を持ち、その世界観が漫画という形でどう結実するのかは純粋に興味深い。心の傷や自己崩壊を題材にした作品は、ともすれば重くなりすぎるリスクもあるが、この二者の組み合わせであれば独自の温度感で描ける可能性がある。

アニメーターという職業を主人公に据えたことも見逃せない。創作の現場に身を置きながら、内側では少しずつ自分が消えていく——そのリアリティは、描き手の視点だからこそ生まれる説得力を持つはずだ。

今号では後藤天泉「さよなら僕のメイド様」が完結を迎えたほか、読み切り企画「The 30th×30 Stories」に夏村東和と夏目レモンが参加するなど、盛りだくさんの内容となっている。「わたしはおばけ」が今後どのような深みへと踏み込んでいくのか、次号以降の展開に注目したい。