狂気と憎悪が交差するダークSFの幕開け

本作は、「不能犯」で知られる原作者・宮月新と、「神さまの言うとおり」の作画を手がけた藤村緋二による新作コミック。タイトルからも伝わるとおり、テーマは非常にダークで刺激的だ。「憎悪に呼応し殺戮する狂気の生物」をめぐるスプラッター復讐SFという触れ込みで、グロテスクな描写と重厚なストーリーが融合した作品に仕上がっているという。

実力派コンビが生み出す、容赦なき世界観

宮月新といえば、「不能犯」で法律では裁けない犯罪者を独自の方法で追い詰める異色のクライムサスペンスを描き、その鋭い人間描写と緻密なプロット構成で高い評価を得てきた作家だ。一方の藤村緋二は、「神さまの言うとおり」で生死をかけたデスゲームをスタイリッシュかつ迫力満点に描き切り、独自のビジュアルセンスを証明している。この二人が「憎悪」と「殺戮」をテーマに組んだとなれば、単純なスプラッター作品にとどまらない深みが期待できる。

宮月新の得意とする「人間の業と狂気」と、藤村緋二の描く圧倒的な画力が合わさることで、読者の心をえぐるような体験が生まれるはずだ。復讐というモチーフに「憎悪に呼応する生物」という非現実的な要素を絡めることで、単純な勧善懲悪では終わらない複雑な物語が展開されることが予想される。

タイトルの一部が伏せ字になっている点も含め、挑発的な作品姿勢が随所に感じられる本作。グロテスクな表現が苦手な読者には覚悟が必要だが、ダークな世界観とスリリングな展開を求めるファンにとっては見逃せない一冊となりそうだ。今後の巻での物語の広がりに注目したい。