「ロスト・ラッド・ロンドン」のシマ・シンヤが贈る新作「ハイこちら解奇部です」1巻が5月19日に発売。凸凹バディが怪奇現象に挑むライトホラー作品。

凸凹バディが挑む、歪んだ怪奇の数々

「ロスト・ラッド・ロンドン」で独特の画風とミステリアスな世界観を確立したシマ・シンヤの新作コミックス、「ハイこちら解奇部です」第1巻が本日5月19日に発売された。「解奇部」という部活動を舞台に、個性の異なる凸凹バディが絡み合うように歪んだ怪奇現象を解きほぐしていくライトホラー作品だ。

本作のタイトルにある「解奇部」は、読んで字のごとく怪奇を「解く」ための部活動。ゆるやかなユーモアを漂わせつつも、どこかひんやりとした空気感が同居するシマ・シンヤ節は、第1巻からすでに健在といったところだろう。凸凹バディというキャラクター設定は、ホラーというジャンルに独特のテンポとコミカルな緩急を与えており、重くなりすぎない読み心地を生み出している。

「ロスト・ラッド・ロンドン」から続く、シマ・シンヤの世界観

前作「ロスト・ラッド・ロンドン」は、ロンドンを舞台にした少年と刑事の異色バディミステリーとして多くの読者を魅了した作品だ。洗練されたモノクロの線画と、静かな緊張感の中に滲む人間ドラマが高く評価され、シマ・シンヤの名を広く知らしめた一作でもある。

新作となる本作でも、「バディもの」という骨格はしっかりと引き継がれている。ただし舞台は日本の学校という身近な場所に移り、テイストはよりポップでアクセスしやすい方向へとシフトした印象だ。前作のファンはもちろん、シマ・シンヤ作品に初めて触れる読者にとっても入りやすい一冊になっているのではないだろうか。

ライトホラーというジャンルは、ホラーが苦手な読者層にも届きやすい一方で、作り手の力量が問われるジャンルでもある。怖さと笑いのバランスを崩せばどちらも中途半端になりかねないが、前作でキャラクターの関係性と物語のトーンを精密にコントロールしてみせたシマ・シンヤであれば、その綱渡りを軽やかにこなしてくれると期待したい。

第1巻の反響次第では、今後の展開がさらに広がる可能性も十分にある。続巻の情報や、作品をめぐる新たな動きに引き続き注目していきたい。