世界に門戸を開いた、ABEMAの意欲的な試み
ABEMAが主導するオリジナルアニメ創出プロジェクト「Project PRISMation」が、グローバル規模でのパイロット映像提案の受付を開始した。今年1月にYouTubeチャンネルで3本のパイロットアニメーションを公開して注目を集めた同プロジェクトが、次のフェーズへと踏み出した形だ。
今回の発表と同時に、前回公開されたパイロット作品のひとつ、タイのスタジオZemyataが手がけた「Poppin-Play Kitchen」の続編制作も明らかになった。パイロット段階の作品が早くも次のステップへ進んだことは、プロジェクトの選考眼の確かさと、実際にIPを育てていく姿勢を示すものとして受け取れる。
募集条件と、AI利用に関する明確な線引き
Project PRISMationが求めているのは、「キャラクターの魅力」「ストーリーの可能性」「エンターテインメントとしての価値」を備えた独自の世界観を持つ作品。尺は5〜10分程度が目安で、単体の映像作品としてある程度完結していることが推奨されている。
制作技法は幅広く受け付けており、手描き(2D)、3DCG、ストップモーション、実写合成など、あらゆる手法やソフトウェアが対象となる。ただし、AIの使用については明確な制限が設けられており、機械翻訳のような「非クリエイティブな補助ツール」としての利用のみ認められる。AI生成の映像はもちろん、イメージボードやコンセプトアートといったプリプロダクション素材にAIを使用した場合も受理されない。この点は提案書への明記が必須となっている。
また、パイロット映像の提案に加えて、「将来の展開計画(Future Expansion Plan)」の提出も求められる。作品をどのように商業展開していくかのビジョンを示すことが条件となっており、単発のショートフィルムではなく、IPとして育てられる作品を探していることが明確に伝わってくる。
「日本のアニメ」の次世代を世界から掘り起こす
このプロジェクトが興味深いのは、国籍や制作スタイルを問わず、世界中のクリエイターに対して等しく門戸を開いている点だ。Zemyataのようなタイのスタジオが選ばれ、続編まで獲得したという実績は、「日本のアニメスタジオでなければ」という従来の枠組みを超えようとする意志の表れといえる。
AIに対して厳格な姿勢を打ち出した点も、業界全体が揺れるなかで一定の基準を示したという意味で注目に値する。クリエイターの手による表現を重視するという方針は、作品のオリジナリティを守ることへの本気度を感じさせる。
今後、どのような国や背景を持つクリエイターが選ばれ、どんな作品がIPとして羽ばたいていくのか——Project PRISMationの次の一手から目が離せない。