読切の好評が連載化を後押し

本作は以前に別冊付録の冊子へ掲載された読切作品で、読者からの反響を受けて連載化が決定した経緯を持つ。いわゆる「読切昇格」という形でのスタートは、作品への期待値の高さを示すものといえる。作者の白鳥マスオは少女マンガ誌を中心に活動する作家で、今回の連載はそのキャリアにおいても注目の一歩となる。

前世OLの記憶を持つ令嬢が、冷徹騎士と出会う

物語の主人公は、前世で毎日上司に叱られていたポンコツOLの記憶を持つ伯爵令嬢・イザベル。姉の代わりに、"冷徹な鬼騎士"として恐れられるウィリアム・マーシャルとの縁談を引き受けることになる。しかし、屋敷へ向かう道中でケガをしたウィリアムと偶然出会ったイザベルは、噂で聞いていたような冷たさを彼に感じられずにいて……というのが序盤の導入だ。

転生×異世界×政略結婚という組み合わせは少女マンガとの相性が抜群で、近年のトレンドを押さえつつも、「前世がポンコツOL」という設定が主人公のキャラクター造形に独特のユーモアと親しみやすさをもたらしている。噂とは違う一面を持つ騎士との距離感が縮まっていく過程に、ファンは期待を寄せているはずだ。

Cheese!創刊30周年記念の付録も見逃せない

今号はCheese!創刊30周年という節目の号でもあり、アニバーサリーキャンバスアートが付録として封入されている。青木琴美「カノジョは嘘を愛しすぎてる」、藤間麗「王の獣 ~掩蔽のアルカナ~」、朱神宝「コーヒー&バニラ」の描き下ろしイラスト全3種からランダムで1枚が手に入る仕様で、雑誌ファンにとっても記念になる一冊となっている。

連載が軌道に乗るにつれ、イザベルとウィリアムの関係がどう深まっていくのか、今後の展開から目が離せない。